第5回 これまでの「ぶどうの枝分科会」について
来年の11月に開催される宣教協議会は、当初は今年の11月に開催する予定でした。しかし、新型コロナの感染状況の影響により、宣教協議会実行委員会による準備が思うように進まず、また各教区での宣教協議会に向けた機運を高めることも難しかったため、やむなく一年延期することになりました。けれども、ただ単に延期するのではなく、宣教協議会までの期間をより有意義な時間とするために、管区の諸委員会、聖公会に連なる諸施設、青年たち、主教会などと実行委員会とが分科会を行い、分かち合いの時を持つことが提案されました。この分科会は「ぶどうの枝分科会」と名付けられました。私たちは、「まことのぶどうの木」であるイエス様につながる「ぶどうの枝」ですが、その「ぶどうの枝」同士が、お互いにその恵みと課題を分ち合うというイメージです。「ぶどうの枝分科会」を宣教協議会のプロセスの一部として位置づけ、定期的に開催することになりました。
第1回目の分科会(管区諸委員会編)は、今年の2月25日・3月4日に開催されました。参加者は、管区諸委員会から、礼拝委員会・祈祷書改正委員会、人権問題担当者、青年委員会、正義と平和委員会、女性デスク、ハラスメント防止・対策担当者、日韓協働委員会の代表者の皆さんと、宣教協議会実行委員でした。各委員会へのアンケートの回答をもとに報告があり、その後意見交換の時を持ちました。各委員会のこの十年の働きの恵みと、現在の取り組み、課題について分かち合いました。それぞれの委員会の多様な働きが、すべてイエス様につながっていることに感銘を受けました。
第2回目の分科会(青年委員・青年担当者編)は、5月9日・15日に開催されました。管区の青年委員と各教区の青年担当者、実行委員が参加し、日本聖公会の中での青年たちやその活動について思いを分ち合いました。また、各教区の青年活動の恵みや課題、青年たちの主体性といったことについても話し合われました。宣教協議会においても、青年たちを「お手伝いさん」として扱うのではなく、これからの聖公会を担う存在として接することの大切さが共有されました。
第3回目の分科会(原発問題プロジェクト編)は、6月9日に開催されました。参加者は、管区の原発問題プロジェクトのメンバーと実行委員でした。まず、プロジェクト委員長の長谷川清純司祭から「この10年の恵みと課題」と題するお話、プロジェクトメンバーの池住圭さんから「原発と核の問題と聖公会宣教課題について」と題するお話があり、その後意見交換がなされました。この分科会を通して、原発や核の問題は東日本大震災から十年を経てもなお現在の問題であることを強く感じさせられました。
「ぶどうの枝分科会」は、今後も続けられる予定です。来年の宣教協議会に向け、これからも多くの「ぶどうの枝」の皆さんと恵みや課題を分ち合えればと願っています。
(文責:司祭 北澤 洋)