2023年日本聖公会宣教協議会からの呼びかけ
※それぞれの項目の例案は細目紹介をご覧ください
主題「いのち、尊厳限りないもの ~となりびととなるために~」
2023年11月10日(金)から13日(月)の日程で、山梨県清里・清泉寮に、すべての教区主教をはじめ各教区代表、管区諸委員会など信徒・教役者132名が集い、「2023年日本聖公会宣教協議会」が開催されました。今回の宣教協議会は「2012年日本聖公会宣教協議会」から十年後に<宣教・牧会>の実りを持ち寄るとしていた約束を受けて開かれました。
実り持ち寄りブースでは各教区・各委員会の豊かなはたらきの実りが示されました。そして、「私たちのあゆみ ~物語を聴く」では少人数でありながらも積極的にはたらく三つの教会が紹介され、また、「いのちの現場から聴く」では当事者および当事者と常に「となりびと」の関係にある五人の語り手をお迎えして「となりびと」とは誰かということを深く学ぶ機会となりました(当日の詳細は宣教協議会ウェブサイトをご覧ください )。
実りを分かち合い、現場に生きる人々の声を聴く中、わたしたちはその豊かさに感謝するとともに、実現できなかったことや課題が多くあることもあらためて知ることとなりました。そのため、グループシェアリングにおいては、それまでに様々な耳を傾けた結果として、2012年の提言を参照しつつ、できなかったことと今後の展望は何かという主題とを分かち合うこととなりました。このことは、日本聖公会の歩みの継続という視点で避けて通ることのできないものでした。その分かち合いでは事実、多くの有意義な声が集まりました。
「実り」の中には決して良い実ばかりでなく、むしろ、失敗・挫折・苦悩の実が数多くありました。しかし、わたしたちはそれらをも「実り」としてあえて受け入れ、反省と検証を重ねて、真に多くの人々と「となりびと」であるべく歩みを進めなければならないという想いを新たにしました。その文脈をふまえ、今後の日本聖公会における喫緊の課題である宣教協働区について主教会メッセージと協働区アワーで論じられ、また、世界の聖公会で中心的な主題となっている「セーフチャーチ(安心安全な場である教会)」の理念も紹介されました。
2023年宣教協議会閉会に際し、協議会に参加した人々がそれぞれの共同体に戻る際に持ち帰る「清里からの呼びかけ」が発出され、長く継続的に検討されてゆくものとなるはずでありました。しかし、わずか四日間で数々の重要な課題が話し合われ、それぞれの大切にしている想いが熱く語られ、その結果、限られた時間で完成させることは困難であることが最後の全体会で明確になりました。そこで、異例の展開として、協議会中に「呼びかけ文」を完成することは断念し、ドラフトコミッティが持ち帰って協議会中に出された意見を改めて確認し、実行委員会とともに再検討することになりました。
そのような状況を経て作成されたこの「呼びかけ」は、ドラフトコミッティがその骨子を引き受けつつ、協議会に参加した全員がかかわったものです。日本聖公会がこれから目指すはたらき、教会共同体が向かい合うすべてに対して「となりびと」としてともに歩むものとなることへの指針として、この「呼びかけ」が多くの人の心に留められ続けることを願います。
2023年日本聖公会宣教協議会からの呼びかけ
細目紹介
1. 神のみ声に耳を傾けよう <祈り・み言葉・礼拝>
- イエスの弟子となる…わたしに与えられた賜物はなに?
- 進むべき道を問い続ける…聖書を読み、神のみ心を祈り求めよう
- 変化を恐れない…宣教協働区、新しい祈祷書、生き生きとした「今」の礼拝!
2. 人々の声に耳を傾けよう <教会・地域・となりびと>
- セーフチャーチにしよう…開かれた教会、すべての人が安心できる居場所に
- 小さな声を大切にしよう…多彩性を輝かせ、ともに生きる
- 地域の必要に応える…関連施設とも協働し、課題に取り組もう
3. 世界の声に耳を傾けよう <神が創られた自然・世界・社会>
- 地球のいのちに仕える…教会ができるSDGsは?
- 平和をつくりだそう…いのちを脅かすすべての暴力に「NO」!
- 世界のうめきや叫びに向き合おう…世界の聖公会(アングリカンコミュニオン)とつながりながら
「私はぶどうの木、あなたがたはその枝である。人が私につながっており、私もその人につながっていれば、その人は豊かに実を結ぶ。私を離れては、あなたがたは何もできないからである」(ヨハネによる福音書15章5節)
2024年2月2日
2023年日本聖公会宣教協議会
※宣教協議会の報告書と分かち合われた多くの「声」は、今後日本聖公会宣教協議会ウェブサイト・ブログで公開される予定です。併せてご覧ください。
※宣教協議会で行われたグループシェアリングの記録(参加者の声)はこちらからご覧ください。
※協議会もこの呼びかけ文も「これで終わり」ではありません。わたしたちが日々の教会生活の中で、できることに取り組んでゆくかたちで清里の物語は続いてゆきます。その物語の続きを、どうかともに歩み、ひき続き様々な「声」をかわしてください。