ぶどうの枝分科会第3回目として、6月9日(木)の夜に正義と平和委員会原発問題プロジェクトの委員の皆さんと開催させていただきました。
分科会では、これまでのプロジェクトの歩みを伺った後、「原発と核の問題と聖公会の宣教課題について」と題し原発や核の問題と日本聖公会はどのように関わってきたのか、お話を頂戴しました。お話の中で、聖公会は原発事故以前の1995年宣教協議会の頃から核をはじめとする環境問題への取り組みを宣教課題としてすでに掲げていたこと、その後の歩みとして青年、超教派の交わりの中でも掲げ続けられてきたテーマであることもご紹介いただきました。
その後は3つのグループに分かれグループディスカッションを行いました。
原発事故により生まれた差別や分断を学び、これからもこの現実と一緒に歩んでいくために対話をしていかなければならないこと、周囲に知らせていかなければならないことが必要といった声を分かち合い、あらためて「いのち」の大切さを考える機会となり、宣教協議会実行委員会がこれまで考えてきたキーワード「隣人」や「いのち」と通じる部分が多かったという声が上がりました。
また、分科会を開催した日を含む6月5日(日)~11日(土)の期間は「原発のない世界を求める週間」であり、期間中に開催された原発問題プロジェクト主催のプログラムへもお誘いいただきました。
5日の夕方には森松亜希子さんを講師に招き、「原発からの命の守り方 〜『平和のうちに生存する権利』を手放さないために私たちができること〜」というテーマで講演会が開かれました。東日本大震災以前は福島で生活されていた森松さんは、福島第一原発事故により「平和な日常が突然奪われ」、お子さんとともに大阪に避難され、避難者の会を立ち上げ災害や原発事故の被災者の人権を訴えてこられたそうです。この度の講演でも、原発事故の被災者がどのような立場に立たされているか、こどもたちの未来を守るために何が必要なのか、心に訴えかけるお話を伺いました。
11日には、震災後立ち上がった「いっしょに歩こう!プロジェクト」から現在の東北教区「東日本大震災被災者支援プロジェクト」まで支援活動が続けられている、福島県新地町でのお茶会に参加されている原発事故避難者3名のインタビュー映像、また現在の原発事故被災地の様子をスライドショーで視聴し、その後グループディスカッションが行われました。
実行委員会は、これまで開催した3回の分科会の振り返りと8月に行われる「ぶどうの枝協議会(拡大実行委員会)」、また来年11月に控えた「2023年日本聖公会宣教協議会」プログラムの道筋を立てるため、6月17日に初の対面会議を予定しています。