管区事務所だより ぶどうの枝だより Vol.6
11月に行なわれる宣教協議会への各教区からの参加者もほぼ確定し、清里に向けて具体的な準備に取りかかる時期となってまいりました。前号でも触れましたが、実行委員⻑・磯晴久主教からの宣教協議会へのお招きのメッセージが動画で公開されています。
「宣教協議会への招き」(要約)
この宣教協議会は、2012年宣教協議会の「10年後に実りを持ち寄ってもう一度協議会をしましょう」という約束を受けて開かれる。実りを持ち寄るということに留まらず、その後に起きている多くの困難−新型コロナウイルス、世界各地の争い、環境問題や災害−の中で苦しんでいる人、生きづらさを感じている人がたくさんいることを共に考えたい。また教会も色々な課題を抱えている。私たちは岐路に立っており、これからの道をどう歩んでいこうかと悩んでいると思うが、希望をもって旅を続けて行きたい。
中村哲医師は医者としてアフガニスタンに入り医療活動をしていたが、この人たちにまず必要なのは水とパンだとの気づきから、灌漑施設を作り、土地を耕し、地域の人と一緒に歩んだ。私たちは複雑な社会の中に生きているが、今行なわなければならない事、関わらなければならない事は意外にシンプルなことかもしれない。それをみんなで発見していきたい。
私たちには様々な賜物を与えられている。そのことに気づいてそれを持ち寄り、知恵と力、想像力と意見を出し合って新しい宣教のビジョンを発見する、そのような協議会になったらと心から願っている。主イエスが私たちのところに来てくださった、隣人愛の大切さを伝えるために来てくださったということを忘れず、そのことを見つめながら進んで行きたい。できるだけ多くの方に、いろいろな形でこの宣教協議会に参加していただけたらと思う。
「ぶどうの枝分科会/祈祷書改正委員会編」
可能な限り色々な立場の方々と分かち合いができるようにとオンラインで企画してきた「ぶどうの枝分科会」。3月16日(木)には祈祷書改正委員会のみなさまがご参加くださって集いが開かれました。
各自の自己紹介と実行委員会からの今宣教協議会のテーマ・これまでの流れについての説明の後、まず祈祷書改正委員⻑の吉田雅人主教が、2014年に立ち上げられた祈祷書改正準備委員会以来の経緯、また何故改正が必要か、祈祷書の位置づけなどについて、そして大切な「ミッション・ステートメント」についてお話くださいました。『祈祷書改正ニュース』第1号の4-5頁「『ミッション・ステートメント』について−基本的理念と方向性−」を是非お読みいただきたいとのことです。
(祈祷書改正委員会ホームページもごらんください)
次に市原信太郎司祭から、11のグループに分かれて進められている作業の現状と各分野の改正点についてパワーポイントを拝見しながら伺いました。改正作業は本当に大仕事で、祈祷書改正に携わる先生方がご苦労されている様子が伝わってきました。
その後15分ほど、4〜5人のグループで話し合いをし、最後に全体で分かち合いをしたのですが、「祈祷書の解説書があると良い」という意見が印象に残りました。祈祷書についてもっと知り、活用していくことで私たちの信仰生活は豊かにされていくことでしょう。新しい祈祷書を楽しみに待ちたいと思います。また宣教協議会当日には、祈祷書改正委員会の新しい式文案による「朝の礼拝」をささげる予定です。
「パネリスト紹介」
さて、宣教協議会の2日目プログラム、パネルディスカッションをご担当くださる5 名の講師の方々をご紹介いたします。
☆安達美樹さん: 大阪府豊中市出身。1992年より幼児教育に携わる。1999年公益財団法人KEEP協会清里聖ヨハネ保育園に入職(~2008年)、2022年公益財団法人KEEP協会清里聖ヨハネ保育所に入職、現在に至る。清里聖アンデレ教会信徒。
☆堀江有里牧師:信仰とセクシュアリティを考えるキリスト者の会(ECQA)代表、日本基督教団牧師(京都教区巡回教師)、公益財団法人世界人権問題研究センター専任研究員。関⻄学院大学ほか非常勤講師。専門領域は社会学、ジェンダー論、クィア神学。1994年より性的マイノリティの相談業務に従事。
☆竹迫 之(いたる)牧師:日本基督教団・白河教会牧師、1967年秋田市生まれ。高校3年生時に、いわゆる統一協会に知らずに勧誘され入会、活動中の負傷を機に19歳で脱会。統一協会をはじめとする「カルト」の問題に関わる中で牧師となり、現在、主に脱会当事者や2世脱会者の精神的ケアに関して研究中。
☆半田ウィリアムズ郁子司祭:英国国教会リーズ教区司祭。リーズ大学病院、聖路加国際病院にてチャプレンとして勤務。またICU(国際基督教大学)の大学教会の説教を定期的に担当。「和解」を学ぶ読書会や、学生が安全に不安を話せる場「てばなすぺーす」を開催。英国での元捕虜や家族の和解の働きにも⻑く取り組んでいる。
☆マルコ柴本孝夫司祭:福岡聖パウロ教会、久留米聖公教会牧師。九州教区宣教局⻑、他。1965年福岡県久留米市生まれ。大学卒業後福祉関係へ進むことも考えるが、勧めを受け聖公会神学院へ入学、1994年司祭按手。⻑らく管区の正義と平和委員・協力委員、災害支援やホームレス支援活動に携わる。
パネルディスカッションの後には分科会が、また小グループに分かれてのシェアリングも予定されています。講師のみなさまの、それぞれユニークなご経験からのお話がとても楽しみです。
清里に集まることのできる人数は限られていますが、各地におられる方々とつながり、共に経験することができたらと、オンラインでの配信なども計画しています。
多くの方に関心を持っていただける宣教協議会となることを願っています。